オープンイノベーションとは?|オープンイノベーションが起きやすいオフィスの定義

企業が成長するためにイノベーションが必要になった現代社会において、ビジネスパーソンにも革新性が求められるようになってきました。そんな中、注目されているのが「オープンイノベーション」です。

この記事では、オープンイノベーションの概要や目的、メリットを解説しつつ、オープンイノベーションが起きやすいオフィス環境についてご紹介します。

オープンイノベーションの概要

まずは、オープンイノベーションの概要について解説します。

オープンイノベーション(Open innovation)とは、改革を起こす際、自社以外のあらゆる組織(他社、大学、政府など)の技術や知見、アイデアなどを取り入れ、それらを融合することでイノベーションを起こそうとする方法論です。

オープンイノベーションは、ハーバード大学経営大学院の教授によって提唱されたイノベーション理論で、20世紀末期に一般的だった自社内で全て完結させる「クローズドイノベーション」と対になる方法論とされています。(オープンイノベーションとクローズドイノベーションの違いについては、この記事の後半で改めて紹介します)

また、オープンイノベーションにおいては、社内で起きたイノベーションを外部へ展開し、市場機会を増やすことも必要です。つまり、イノベーションの前後共に、組織内に捕らわれないようにすることが、オープンイノベーションの重要なポイントと言えます。

オープンイノベーションの目的

オープンイノベーションの目的は、いくつかあります。 

まず、外部のリソースを使うということは、オープンイノベーションの目的の1つです。あらゆる企業が人手不足の状態の中、新しい知見を取り入れるために人を雇うよりも外部組織のリソースを使う方が効率的です。組織内に新しい文化や知識を取り込むことは、オープンイノベーションを推進する際に必ず意識しましょう。

また、組織外の知見を取り入れることで、凝り固まった考えを打破することもオープンイノベーションの目的です。高度に情報化した現代社会においては、異業種・異分野・異文化の壁を超えた革新的なサービスも少なくありません。そんな中、自社内のみでイノベーションを起こそうとすると、既存サービスの延長線上から抜けられずイノベーションに辿り着けない可能性が高いです。オープンイノベーションの考え方で外部からの情報・リソース・文化や知識を積極的に取り入れ、情報社会で求められるイノベーションを成し遂げることが、オープンイノベーションの目的の1つと言えます。

注目される背景

オープンイノベーションが注目される背景には、いくつかの市場動向が関係していると考えられます。

まず、消費者のニーズが複雑になり、求められるサービス内容が多様化していることが、オープンイノベーションが重要視されている理由の1つです。

現代社会では消費者が求めていることが多いため、価格が安かったり品質が良かったりするだけでは、競合に勝てないこともあります。また、情報社会の特性上、消費者のニーズは頻繁に変わります。そのような情勢の中、自社を客観的に見直せるオープンイノベーションの価値が高まってきました。また、オープンイノベーションでは競合サービスや消費者ニーズすらも自社リソースとして活用するため、限られたリソースを効率的に使えることもポイントです。

情報社会の特性であるプロダクトライフサイクルの短縮も、オープンイノベーションが注目されるきっかけとなりました。

プロダクトライフサイクルが短くなったということは、それぞれの企業は今まで以上にイノベーションを頻繁に起こさなければ生き残れません。そのため、外部研究機関や競合の調査データなど、あらゆる情報・知見を自社に取り入れるオープンイノベーションによって、短期間で結果を出すことを目指す企業が増えてきました。ありとあらゆる情報を使いたいという企業ニーズが増えたことも、オープンイノベーションが注目されている原因の1つです。

ここまでご紹介してきた背景から、オープンイノベーションは変動が起こりやすく、さまざまな事象が複雑に絡み合うVUCAの時代に即したイノベーション理論と言えます。

クローズドイノベーションとの違い 

オープンイノベーションと対になる概念として、クローズドイノベーションという考え方があります。クローズドイノベーションでは、自社のリソースのみを使ってイノベーションを目指すことが特徴です。

オープンイノベーションとクローズドイノベーションでは、経営資源に対する捉え方が異なります。

人材への考え方

クローズドイノベーションでは、社内人材のみでイノベーションを目指します。そのため、イノベーションに必要な人材は雇用することが基本的なスタンスです。

一方、オープンイノベーションは外部リソースを積極的に活用するため、必要な人材にはその都度ジョインしてもらうといったスタンスになります。

顧客への考え方

クローズドイノベーションでは、顧客はサービスの対象です。つまり、顧客が求めるサービスを提供するために経営資源があると捉えています。

一方、オープンイノベーションでは、顧客の反応やニーズもリソースの1つです。つまり、顧客すらも経営資源として捉えることになります。

外部資本の関与

クローズドイノベーションでは、外部資本は財務指標としての意味しか持ちません。

一方、オープンイノベーションでは、外部資本と共に人的リソースや技術リソースなどが投入されることもあるため、イノベーションのきっかけになると捉えられています。

研究開発の役割

クローズドイノベーションでは、研究開発も組織内で完結させることが前提です。そのため、研究施設や人材などの経営リソースを確保するための資金が必要になります。

一方、オープンイノベーションでは、研究開発に関わるリソースも内部外部を問わず活用することを目指します。研究技術のシェアなども考えられるため、今までにない技術革新が起きる可能性も高いと言えるでしょう。  

ビジネスモデルの市場化

クローズドイノベーションとオープンイノベーションでは、ビジネスモデルを市場に投入するタイミングが異なります。

まず、クローズドイノベーションでは、アイデアやプロダクトなどのモデル化を試みる場合、比較的早いフェーズで市場に投入されます。自社内で得られる情報は限られているので、一刻も早くユーザー(消費者)の反応を確認した方が良いためです。そのため、クローズドイノベーションでは市場に投入した後にイノベーションを目指します。

一方、オープンイノベーションの場合は、ビジネスモデルの確立を図った後、市場へ投入することがほとんどです。オープンイノベーションの考えに則ってモデル化を試みる場合は自社以外のあらゆるステークホルダーと関われるため、市場に出さずともビジネスモデルを磨けます。そのためオープンイノベーションでは、ビジネスモデルが固まっていることはもちろん、既にイノベーションが起きた状態で市場化されることが多いです。

知的財産

知的財産についての捉え方も、大きく異なります。オープンイノベーションの場合は自社内のみで完結させるため、知的財産に関する情報は社外秘として扱われます。当然、ライセンスなどは他社に提供されません。

一方、オープンイノベーションの場合は知的財産に関するライセンスは共有されます。他社が自社のライセンスを利用することはもちろんですが、自社も他社の知見を活用できるため、活発な情報共有が行われることが特徴です。

オープンイノベーションに関する要素

ここまでご紹介してきた通り、オープンイノベーションは社内のみで完結することはできません。そのため、社内・社外を含めたさまざまな要素を考える必要があります。ここからは、オープンイノベーションを進めるために必要な要素について、代表的な5つをご紹介します。

人材

オープンイノベーションに必要な人材は、社内のスタッフのみに限りません。

オープンイノベーションでは組織外の人材とのつながりが肝になります。そのため、優秀な人材を「雇用する」という従前の考え方ではなく、優秀な人材に「協力しあう」「情報を交換しあう」といった視点が必要です。一方的に協力を求めることは難しいので、自社として何が提供できるのか、ギブアンドテイクの精神を持つことも重要と言えます。

アイデアやマインド

アイデアやマインドについても、社外のものを積極的に取り入れていく必要があります。

外部の考えを取り入れることには、オリジナリティが無くなるといった懸念や、アイデンティティを失うといった反発があるかもしれません。しかし、オープンイノベーションにおいては、外部の考えを積極的に取り入れ、自社内で昇華していくことが不可欠です。そのため、ただ真似をするのではなく、自社風にアレンジするという気持ちで臨むようにしましょう。

知的財産

知的財産に対する捉え方も、他の要素同様にオープンにしておかなければなりません。クローズドイノベーションと異なり、オープンイノベーションでは知的財産は共有することが求められるためです。

しかし、あくまでも知的財産の権利は、それぞれの企業や研究機関に帰属します。自由に使えるということではなく、イノベーションのために共有されているという目的を忘れずに活用しましょう。

研究開発

研究開発についても、知的財産と同様に権利関係をクリアしつつ、イノベーションのために共有する要素となります。自社だけで研究開発を行う場合は莫大なコストがかかるため、組織外の研究結果を使うことは大きなメリットです。

しかし、研究開発データの提供先は、大きなコストをかけてその結果を生み出したことになります。オープンイノベーションを進めるためには継続的な関係が不可欠ですから、自社が外部に提供できる価値についても考えておきましょう。

市場

オープンイノベーションを進めるためには、寡占(独占)されていない開かれたマーケットが存在していることが望ましいです。情報やリソースを外部と共有しあうためには、なるべく多くのステークホルダーが存在している方が良いためです。

この点は各企業の置かれた状況によっても異なるため、オープンイノベーションに必ずしも必要な要素ではありません。しかし、重要なポイントなので参考にしてみてください。

オープンイノベーションのメリット

ここからは、これまでご紹介してきた内容をふまえ、オープンイノベーションのメリットを3つご紹介します。

スピード面

まず、オープンイノベーションはスピード感に優れています。組織外のリソースを活用するという特性上、自社内のみで全てを完結するより圧倒的に早く成長することが可能です。

コスト面

外部のリソースを使うため、オープンイノベーションはコストがかかりにくいメリットもあります。自社内のみで完結する場合、人材はもちろん、研究設備や情報処理など全てのコストを自社で賄わなければなりません。これらの高コストなリソースを外部に求めることでできる点は、オープンイノベーションならではのポイントです

知識・技術

新しい知識や最新技術を外部から取り入れやすいことも、オープンイノベーションのメリットです。知識や技術を単体で取り入れることはもちろんですが、スキルをもった人材に協力を求めるということもあるので、必要な時に必要なリソースを確保できます。

オープンイノベーションが起きやすい環境とは

ここからは、オープンイノベーションが起きやすい環境についてご紹介します。

インバウンド型(アウトサイドイン)

インバウンド型は、自社に必要な技術や人材、知識を組織外から取り入れることによってイノベーションを起こすことを目指します。そのため、アウトサイドインとも呼ばれており、オープンイノベーションというと一般的にはインバウンド型を指すことが多いです。また、技術を外部から取り入れるという特徴から、「技術探索型」と呼ばれることもあります。

他社のリソースを積極的に取り入れようとする企業文化が強いと、インバウンド型のオープンイノベーションが起きやすいです。そのため、自分たちの足りない技術を外部で探索しやすい環境を構築することが求められます。

アウトバウンド型(インサイドアウト)

アウトバウンド型はインサイドアウトとも呼ばれ、自社の技術を外部に提供する形式のオープンイノベーションです。技術提供型とも呼ばれます。

アウトバウンド型は、技術は持っているが収益化は難しいと言った場合に、社外組織と連携して発展を目指すことが特徴です。そのため、自分たちより優れた相手と協力する体制作り(ライセンスアウト)や、異業種・異業態の企業とのネットワーク構築など、外部組織を巻き込みやすい環境が必要となります。

シェアオフィスを活用したオープンイノベーションオフィスの作り方

最後に、シェアオフィスを活用したオープンイノベーションオフィスの作り方をご紹介します。

オープンイノベーションオフィスを起こすためには、組織外との関わりが不可欠と言えます。そのため、多様性のあるオフィスや移動しやすいオフィス、外部とのコミュニケーションがとりやすいオフィスが必要です。しかし、一般的なオフィスだと、どうしても閉鎖的な空間になってしまいます。

そんな状態を打破するために、シェアオフィスを活用することが注目されています。

シェアオフィスは什器付きのオフィスで、貸し出される独占スペース以外に、他社との共有空間が多いことが特徴です。同じシェアオフィス内にスタートアップ企業やベンチャー企業が多く存在しているので、異業種・異業態の企業とのネットワークが作りやすく、オープンイノベーションに最適な環境と言えます。

私たちANDSPACEが運営するシェアハウス「VENTURE MAFIA」なら、貸出前の内見も積極的に歓迎しています。オープンイノベーションに最適な空間となっていますので、ぜひ1度ご見学にお越しください。

オープンイノベーションについて理解を深めよう

オープンイノベーションは、組織外の技術や知見、アイデアなどを積極的に取り入れてイノベーションを起こそうとする方法論です。

消費者の行動が複雑化し、企業に求められることが多くなっている現代社会において、オープンイノベーションはますます注目されていくでしょう。未来を見据え、さまざまな外部機関とのネットワークを構築していくことが重要です。

しかし、従来型のオフィスは物理的に閉鎖空間となり、オープンイノベーションの支障となる場合もあります。そのような課題を抱えている方は、ぜひ1度シェアオフィスをご活用ください。

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