サードプレイスオフィスとは?タイプ別の特徴とメリット、導入事例や注意点を紹介

近年、働き方改革やテレワーク導入などの影響で、仕事の進め方やオフィスの概念が大きく変化しています。今後は、働き方も多様化していくと予測されていくなか、注目を集めている「サードプレイス」について解説していきます。サードプレイスの特徴やメリットをはじめ、ビジネスへの導入事例や注意点についても合わせてご紹介していきます。

サードプレイスとは

サードプレイスとは「第3の場所」を意味します。ちなみに、ファーストプレイスは、第1の場所として自宅を意味します。また、セカンドプレイスは、第2の場所として職場や学校という意味を持ちます。サードプレイスは、プライベートな時間を過ごす自宅でもなく、多くの人々と関わるセカンドプレイスとも異なり、人と関われる場所でありながらストレスなく過ごせる居心地の良い空間です。

サードプレイスの発祥は?

サードプレイスは、アメリカの社会学者によって提唱され、世の中に広がっていきました。サードプレイスの定義として以下のような場所が挙げられます。

・中立な場所                       

・規則的な場所                    

・陽気な雰囲気がある場所                    

・平等な場所                       

・目立たない場所                    

・会話が重視される場所                      

・近づきやすく親しみのある場所                    

・家から遠くない場所  

サードプレイスオフィスとは?

サードプレイスの考え方を、働く場所に反映したものが「サードプレイスオフィス」です。自宅や会社とは異なる場所を利用した、疑似オフィスを意味します。代表的なサードプレイスオフィスは、カフェやシェアオフィスなどです。

ビジネスにおけるサードプレイスの意味

個人が快適かつ集中できる空間は人それぞれです。個人がパフォーマンスを発揮するためにサードプレイスを活用することは、生産性の向上につながるという考え方がビジネスでもされるようになりました。さらにサードプレイスを利用し、多種多様な人と関わっていくことによって、新たな考えを生み出すことができ、企業価値を上げていくという考え方もされるようになっています。

サードプレイスオフィスが注目されるようになった背景

働き方改革やワーク・ライフ・バランスを検討していくなかで、本来の働き方を見直す動きが出ています。さらに、コロナ禍の影響によってリモートワークが増え、オフィスの存在自体も問われるようになりました。リモートワークで仕事をしていると、家族との折り合いが悪くなったり自粛生活によるストレスにさらされたりする問題も発生しています。仕事を効率的に行いながらも集中できる環境で、家族とのトラブルやストレスも解消できることから、会社・自宅に次ぐ第3の場所として、サードプレイスオフィスが注目されるようになりました。

サードプレイスオフィスの種類

サードプレイスオフィスは、主に以下のように分類できます。それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

サテライトオフィス

企業の本社や本拠地から離れた場所に設置されたオフィスを「サテライトオフィス」といいます。支社・支店・営業所などは事業や業務を軸に考えられていますが、サテライトオフィスは社員の働き方を軸にしています。本社や本拠地と同じ都市部にあったとしても、社員は営業先や自宅から近い方を選択することが可能です。都合の良いオフィスを選ぶことによって、通勤・移動のストレスも減り、体力的・精神的負担が減ることから生産性の向上が期待できます。

都会から離れたサテライトオフィス

コロナ禍の影響で、サテライトオフィスを都会から地方に移したり分散化させたりしたいという企業は増えています。地方にサテライトオフィスを設置することによって、その地域で優秀な人材を確保することが可能になります。さらに、新規事業の開拓や事業拡大も目指せる点がメリットです。自然豊かな場所にサテライトオフィスを設ければ、社員もリフレッシュして仕事ができます。仕事の生産性やメンタルヘルスの向上も期待できます。

シェアオフィス

サテライトオフィスには、企業側が準備する段階で、スペースの確保、オフィス家具や機器、水道光熱費などのコストが掛かります。それらを解消するために活用されているのがシェアオフィスです。仕事がはかどる環境が整っていて余計なものがないので、自宅よりも集中できます。あらゆるジャンルの人が出入りするので、情報交換したり新たな人材を獲得したりするのにも役立つ場所です。社員は自宅近くのシェアオフィスを利用することによって、通勤時間を短縮でき、効率良く働けるようになるので生産性の向上が期待できます。

ワーケーションのためにホテルやレジャー施設に設置されたワークスペース

近年、ホテルやレジャー施設にもシェアオフィスやコワーキングスペースを併設するケースが増えています。ワーケーションとは、バケーション(休暇)とワーク(仕事)を合わせた造語となっており、リゾート地や観光地などの旅先で仕事をすることを意味します。業務時間以外は休暇となり、リフレッシュできる、家族との時間が過ごせる、長期休暇が取りやすくなるなどのメリットがあります。

オフィス内に設置されたサードプレイス

サードプレイスは、一般的に自宅や会社以外の場所を指しますが、最近では社内にくつろげるスペースとしてサードプレイスを設置する企業も増えています。カフェのようにリラックスできる空間を作る、ゲームや健康器具を置いて気分転換ができるなど、通常のオフィスと異なる空間を作ることで社員の気持ちの切り替えやストレス発散に貢献できます。

サードプレイスオフィス導入のメリット

サードプレイスオフィスの特徴や種類について解説しました。ここからは、企業に導入した際に得られる5つのメリットについて紹介していきます。

作業効率、生産性の向上

ずっと同じ場所に勤務していると「変化を感じられない」「新たなアイデアが生まれない」など行き詰まりを感じてしまうことがあります。リモートワークでは、家事や家族が気になったり、誘惑があったりして仕事に集中できないこともあるでしょう。サードプレイスオフィスを導入することによって、社員はリラックスした状態で業務を行えるようになり、作業効率や生産性がアップします。さらに、サードプレイスオフィスでは社外の人と会うこともあり、情報交換することも可能になります。外部の人から刺激や影響を受け、新たな考え方ができるようになるかもしれません。

BCP対策

BCP対策とは、非常事態に備えて、事業資産の被害を最小限に抑えながらも事業を復旧・継続していくための計画や対策です。近年は頻繁に自然災害が起こります。災害時には、出社が困難になるばかりではなく、出社できても停電や断水などで仕事が継続できないこともあります。また、一拠点集中型では火事などのリスクもあるため、リスクを分散をする意味でもサードプレイスオフィスの設置は有効となるでしょう。自社のBCP対策だけではなく、顧客や取引先から見ても緊急時対策ができている企業は、信頼や高い評価を得られやすくなります。

社員のメンタルヘルス改善

現代の日本では、メンタルヘルスの不調が深刻な社会問題となっています。メンタルヘルスの不調は、本人の健康管理に関わるだけではなく、企業としても休業や退職による労働力の損失となってしまいます。社員1人がメンタルヘルス不調に陥ると、周りにも大きな影響を与えてしまうでしょう。職場の生産性低下を防ぐためにも、メンタルヘルスケアは企業として実施しなければなりません。人は同じ環境の中に居続けることで、今の状態がずっと続くのではないかという錯覚に陥ることがあります。サードプレイスオフィスを導入し、いつもの環境に変化を与えることで、メンタルヘルスの改善につながることもあるでしょう。

優秀な人材の離職防止、雇用維持

サードプレイスオフィスの導入は、人材の離職防止や雇用維持にもつながります。仕事に対して特に不満がない優秀な人材であっても、職場までのアクセスや育児・介護などの問題で仕方なく退職せざるを得ないこともあります。サードプレイスオフィスを導入することによって、アクセスに不便を感じなくなる、育児・介護などがしやすくなるなどのメリットが生まれ、退職を回避できることもあるでしょう。サードプレイスオフィスの存在は、働き方の選択肢を増やすことにもなります。

人材の確保

企業や仕事内容に魅力があっても、場所や勤務時間の問題で応募できないというケースはよくあります。しかし、サードプレイスオフィスがあれば自由度が上がり、居住地に左右されることが少なくなるため、働きやすくなるでしょう。今までさまざまな理由で応募できなかった人が手を挙げやすくなり、人材の確保が期待できます。また、自由度の高い働き方ができるというような企業イメージがアップし、優秀な人材が入社を希望するかもしれません。

サードプレイスオフィスの導入手順や注意点

ここからは、実際にサードプレイスオフィスを導入する際の手順や注意点について、詳しくご紹介していきます。

勤怠管理の方法や評価方法を明確にする

サードプレイスオフィスを導入した場合、オフィス以外で働いている社員の勤務状況を管理者側が把握するのが難しくなります。勤怠管理システムや業務可視化ツールを利用するなど、新たな勤怠管理の方法や評価方法を設定することが大切です。仕事をしている状況や成果の管理方法をどのように判断していくのかなどを社員にわかりやすく説明し、社員同士が不満や不信感を抱えないようにする対策も同時に行っていく必要があります。

セキュリティを構築する・強化する

オフィスは十分なセキュリティ環境や対策が行われていますが、サードプレイスオフィスはセキュリティ上のリスクがあることを理解しておかなくてはなりません。目を離した隙に、PC・USBメモリ・資料などを盗難されるリスクもあれば、移動中や勤務中に紛失してしまうリスクもあります。また、セキュリティ対策が施されていないネットワークにつなぐことで、社内情報や機密情報が流出してしまうリスクにも注意が必要です。

サードプレイスオフィスを導入する場合は、万全のセキュリティを構築しなければなりません。さらに、セキュリティガイドラインや行動ルールの制定を行い、全社員に対して定期的にセキュリティに関する勉強会や講習会を実施するなど、リテラシー向上のための取り組みを強化していく必要があります。

コミュニケーション促進の方法を工夫する

サードプレイスオフィスの導入によって、会社とは離れた場所で仕事をすることになり、社員同士のコミュニケーションが希薄になります。チームワークが乱れたり、人によっては孤独を感じやすくなったりするというリスクもあります。サードプレイスで仕事をする際は、チャットやツールなどを使ってコミュニケーションを取る、ミーティング前に雑談の時間を設けるなど、意識的にコミュニケーションを図っていく対策が必要です。リラックスした環境で定期的にミーティングを行い、コミュニケーションを図っていくのもよいでしょう。

サードプレイスオフィス導入にシェアオフィスがおすすめな理由

先にもご紹介したとおり、サードプレイスオフィスには、サテライトオフィスを設置する方法やワーケーションを導入するなど、さまざまな方法があります。こちらでは、十分な設備を完備し、コスト削減につながるシェアオフィスの利用について深堀りしていきます。

ワークスペースに必要な設備が整っている

サテライトオフィスやオフィス内のサードプレイスを設置するには、スペースの確保だけではなく新たな設備を準備しなければなりません。ワーケーションのためのホテルやレジャー施設には、必要な設備が備わっていない場合もあり、不便な思いをするケースも出てきます。

しかし、シェアオフィスなら仕事に必要な設備が完備されています。個人または複数人で使える完全個室タイプやコワーキングスペースなど種類も豊富です。新たな設備を一度設置してしまうとなかなか取りやめることが難しくなってしまいますが、シェアオフィスならサードプレイスオフィスの導入前にお試しで検討することもできます。

コスト削減につながる

サテライトオフィスやオフィス内のサードプレイスには、机や椅子などのオフィス家具、コピー機やプリンタなどのオフィス機器、さまざまな備品を準備する必要があり、機材の搬入や電源設置なども加わってコストが掛かります。また、使用する際は水道光熱費や清掃費などのコストも必要です。新たな場所を設置するよりも、シェアオフィスの利用料金の方がコスト削減につながるでしょう。

エリアによって用途が分かれている

シェアオフィスはエリアによって、さまざまな使い方ができます。都会のシェアオフィスであれば、利便性の良さを活かして、会議・ミーティング・顧客との交流に使うことが可能です。地方のシェアオフィスは、都会から離れた地方のサテライトオフィスやワーケーションのような使い方ができます。リゾート地や観光地の近くであれば、十分な設備が整った環境の中で社員もリフレッシュしながら仕事ができ、仕事の生産性やメンタルヘルスの向上も期待できます。

まとめ

働き方が多様化されていくなかで注目を集めている「サードプレイス」や「サードプレイス オフィス」について解説しました。いくつか注意点はあるものの、サードプレイスオフィスには作業効率や生産性の向上、BCP対策など多くのメリットがあります。まずは、導入しやすいシェアオフィスなどを上手に利用し、制度や仕組みづくりに活用していきましょう。

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